何かと出費がかさむのが結婚式準備です。通常、席次表は式場でオーダーすることができます。ただ、外注したり自分で作成したりするよりも金額が高いです。自分で作成すれば費用を安く抑えることができ、自分好みのデザインにしたり、自分のペースで制作を進めたりすることができます。

それでは、実際に席次表を作成するにはどうしたらいいのでしょうか。このとき、席次表の無料テンプレートを使う方法があります。テンプレートを使えば誰でも簡単に席次表を作成することができます。さらに、少し装飾を加えるだけで、オリジナリティ溢れるおしゃれな席次表を作ることもできます。

具体的にどうやって作成すればいいか、席次表の編集方法、紙の選び方から印刷方法まで詳しく解説していきます。

手作りはどれくらい安い?手作り席次表のメリット

席次表を手作りするメリットは3つあります。一つ目は、式場や式場の提携業者に依頼するよりも安くできる点です。席次表は式場や提携業者に依頼すると1部あたり約600円~かかりますが、自分で作成すれば1部あたり約50円~で作ることも可能です。

例えば、以下は渋谷区にある実際の式場の見積もりです。

席次表の価格は1部あたり800円となっています。仮に招待人数が60名の場合、この式場の席次表を購入すると、800円×60名=48,000円になります。

一方、自分で席次表を作成して家庭用プリンターで印刷する場合、少し上質な紙を購入しても1枚あたり50円程度です。以下は、席次表でよく使われる、フランス製の高級色画用紙を購入した際のレシートです。

この画用紙を使って手作りすると招待人数が60名の場合、55円×60名=3,300円となります。家庭用プリンターのインクを購入したとしても5,000円以下なので、手作りする方が圧倒的に安くなります。

それでは、席次表の印刷のみを外注した場合はどうでしょうか。例えば、以下は自作したパンフレット型の席次表を90部印刷した代金のメールです。印刷費用は、34,516円となっています。1部あたりにすると約380円です。

一方、以下はオリジナルデザインのパンフレット席次表を業者に依頼した場合の料金表です。左の品質重視タイプの料金で90部153,800円、右の予算重視タイプの料金で90部123,000円になります。1部あたり約1300~1700円です。

比較すると、手作りした方が約9万~12万円も節約できています。このように、席次表を手作りすれば印刷を業者に依頼した場合でも、かなりお得に席次表を作成できることが分かります。

なお、手作りする際の注意点がひとつあります。ペーパーアイテムの持ち込み料は無料としている式場が多いですが、稀に持ち込み料がかかる式場もあります。

持ち込み料がかかる場合は、1部あたり100~150円くらいが相場です。ただ持ち込み料を支払っても、手作りした方が安く仕上げることができるので、節約したい場合は手作りがおすすめです。

手作り席次表の二つ目のメリットは、自分で好きにデザインできる点です。二人のプロフィールやゲストへの挨拶文、料理のメニュー表を載せるなどオリジナルの内容を記載することもでき、世界にひとつだけの席次表を作成することができます。

以下は、わたしが実際にパワーポイントで作成したパンフレット型の席次表の内容です。席次表以外にも、プロフィールと参列者へのお礼メッセージ、二人のおすすめの飲食店などを盛り込みました。

参列者へお礼のメッセージ
おすすめの飲食店

三つ目のメリットは、スケジュールを自分で調整できる点です。式場提携の席次表を依頼すると、制作に2~3ヶ月かかります。

わたしは前撮りの写真を席次表に使用したかったのですが、写真データが送られてくる時期が結婚式の1ヶ月前とギリギリだったため、自分で写真データを配置して作成することにしました。

式場に依頼した場合、文章や写真データの締め切りがあるので結婚式まで時間がないと依頼を受け付けてもらえなかったり、修正や差し替えができなかったりする可能性があります。自分で作成すれば印刷さえ間に合えば何度でも修正可能となり、自分のスケジュールで制作を進めることができます。

テンプレートを使って簡単にプロの仕上がり

それでは、席次表を手作りするにはどうしたらいいのでしょうか。まず、席次表を作成するにあたり必要となるのが席次表のテンプレートです。

検索する様々なタイプのテンプレートが出てくるので、招待人数やテーブルの配置に合わせて選びましょう。以下はblessというサイトで実際にダウンロードした50名用の無料テンプレートです。

席次表が完成したら、表紙用のテンプレートを使って画像や文章を記入していきます。また、以下はマイナビウエディングのサイトでダウンロードした無料テンプレートです。

A4サイズの用紙の裏と表にこのテンプレートを印刷すれば完成です。このように無料で提供されているテンプレートを使えば、簡単にプロのような席次表を作ることができます。

手作りキットを使えばさらに簡単に作成可能

「もう少しデザインにこだわりたい」「DIYや手作りには自信がない」という場合は、手作りキットがおすすめです。ウェディング用のペーパーアイテム専門店や、ネット通販で購入できます。

手作りキットの相場は1部あたり約200~600円となり、完全に手作りするよりは少し高くなりますがおしゃれな席次表が短時間で作成できます。

作成方法は、自宅で印刷するタイプと印刷込みの2種類があります。どちらも予めデザインされたテンプレートに文章と写真を挿入するだけで簡単に作成できます。手作りキットは、気に入った商品のサンプルや見本を依頼できる業者もあります。以下は、実際にわたしが請求したペーパーアイテムのサンプルです。

サンプルを実際に手に取ってみてみると、色合いや大きさが想像していたものと違った紙もありました。大量に注文してしまう前に一度サンプルを見て検討してみると安心です。

手作りキットには豊富なデザインがあるので、手軽に作成したい人はぜひ検討してみてください。

席次表のデザインアイディア

ここからは、席次表を手作りするにあたって人気のタイプを3つ紹介します。どのような席次表にしようか迷っている人は、それぞれのメリット・デメリットも含めて参考にしてみてください。

テンプレートも豊富で持ち運びやすい三つ折りタイプ

結婚式で定番の席次表は、三つ折りタイプの席次表です。このタイプは、テンプレートの種類も豊富で簡単に作成できます。シンプルですがゲストが持ち運びやすく、読みやすいサイズです。

席次表を自宅で印刷して節約したい人や、時間が無い人にもおすすめです。以下は、実際に無料テンプレートを使って作成した三つ折り席次表です。

折り目は、定規を使ってヘラなどであとをつけるとキレイに仕上がります。印刷を業者に依頼した場合、三つ折りまで完成した状態で納品してもらうことも可能です。招待人数が多い場合は検討してみましょう。

プロフィールやメニューも載せられるパンフレットタイプ

次に紹介するのはパンフレットタイプの席次表です。このタイプは、席次表のみだけでなくゲストへの挨拶文や二人の馴れ初めなど、多くの情報を席次表と一緒に載せられます。

注意点は編集する内容が多いので、ある程度のパソコンスキルと時間が必要になります。手間がかかってもオリジナルにこだわりたい人におすすめです。

以下は、わたしが実際に結婚式のために作成したパンフレット型の席次表です。

このパンフレットタイプは、席次表を含め全8ページの冊子になっています。ゲスト同士の会話が広がるきっかけになるよう、文章や写真を多く載せました。

トレーシングペーパーや紐など装飾アイテムでワンランクアップ

最後は、普通の席次表をワンランクアップさせる装飾アイディアの紹介です。例えば、三つ折りの席次表に文字を印刷したトレーシングペーパー巻くだけで、ワンランク上の席次表に仕上がります。

以下は、実際にダイソーのトレーシングペーパーで巻いた席次表です。Wedding Reception(結婚披露宴)の文字をトレーシングペーパーに印刷しています。

トレーシングペーパーは薄く透ける素材の紙です。文字を載せると背景の画像がうっすらと浮かび上がって見えるので主張しすぎず、上品な雰囲気に仕上がります。

席次表に巻いたトレーシングペーパーは、シールや可愛い柄のマスキングテープで留めるのがおすすめです。以下は、ダイソーのシーリングスタンプ風シールで留めた席次表です。

シーリングスタンプは封筒の封印に使われているスタンプで、本来は蠟(ろう)を固めて作ります。DIYする花嫁さんに人気の装飾アイテムですが、手作りするのは少し手間がかかります。そんなときは、このダイソーのシーリングスタンプ風シールが便利です。

もっとナチュラルな雰囲気の席次表を作りたい場合は、以下のようにフェイクのドライフラワーやオリジナルのタグを添えても華やかに見えます。

タグには同じくダイソーで購入したスタンプでTHANK YOUの文字を載せました。このように好きなメッセージや二人のイニシャルを載せることもできます。このほかにも、席次表をリボンやカラフルな色紙で席次表を巻いても可愛いです。好みに合わせてカスタマイズしてみてください。

このほか、小物で装飾する以外にも、席次表をポスター印刷して額に入れて飾る方法があります。席次ボードやシーティングチャートと呼ばれる席次表です。

特に少人数の結婚式の場合、このようなボードタイプの席次表がひとつあれば自分の席を確認できるので、紙の席次表を省くことができます。また、ウェルカムボードのように装飾アイテムのひとつとして会場を華やかにしてくれる役割も果たしてくれます。

このように「無料のテンプレートだけでは物足りない」という時には、少し装飾をプラスしてみるとワンランク上の席次表に仕上げることができます。

テンプレートを利用する席次表の作り方

それでは、実際に好きなテンプレートをダウンロードして席次表を作成してみましょう。席次表の作成は、まずゲストの座席を決めることから始めます。人数にあったテンプレートをダウンロードしたら、招待ゲストのリストを見ながら同じコミュニティ毎にテーブルを分けていきます。

新郎新婦に近い方が上座になるので、主賓、新郎新婦の上司など目上の方が新郎新婦に近いテーブルになります。また、新郎新婦の席に向かって左側が新郎側のゲスト、右側が新婦側のゲストになります。

席次表の配置ができたら、名前や肩書、配置に問題がないかを家族、プランナーさんと一緒にチェックしておきましょう。

席次表のデザインを決めて材料を揃える

席次表の配置が完成したら、次は席次表のデザインを決めて材料を揃えます。前述したとおり、席次表の装飾に使う材料は100均や文房具店で揃えることができます。

以下はわたしが実際にダイソーで購入した物です。タグに使用したスタンプ、麻紐、花などもすべて揃えることができます。

パンフレットタイプの席次表を自宅で印刷する場合は、中綴じホチキスがあると簡単に冊子を作成できます。100均にも中綴じホチキスが売られていますが、少し厚めの紙や枚数が多い場合、針が通らない可能性があるので500円程度のものがおすすめです。

以下は、わたしが実際に中綴じホチキスで作成した冊子です。このように中綴じホチキスを使うと、見開きページの中央に針金を通して綴じることができます。

席次表の完成イメージによって、用意する材料や道具も異なってくるので、実際に作業にとりかかる前に必要な材料を揃えていきましょう。

レイアウトを決めて内容を編集する

材料が揃ったら、テンプレートを使用して席次表を作成します。無料のテンプレートをそのまま印刷してもいいですが、少し装飾するとオリジナルの席次表に仕上げることができます。

例えば、以下は実際にわたしがテンプレートを使って作成した席次表です。

席次表だけだと味気ないので、パワーポイントを使い背景に水彩色の画像を配置しています。このように、好きな画像やフォントで装飾するのもおすすめです。

席次表のデザインで使用する素材は、画像素材サイトで探すことが可能です。特に英語のフォントはフリーフォントの種類が豊富にあるので、好みのフォントを探してみるのも楽しいです。

デザインにこだわりたい場合は素材集の本を一冊購入する方法もあります。例えば、以下は「パーティー&アニバーサリー素材集」と「おしゃれなパターン素材集シンプル&ナチュラル」という本です。

こういった本を買うとDVD-ROMがついてくるので、パソコンに取り込んで使用します。素材は席札やメニュー表など他のペーパーアイテムにも使えるので、一度購入すればペーパーアイテムに統一感を出すことができます。

このように画像素材や独自のフォントを使うと、シンプルなテンプレートの印象を簡単に変えることができます。自分好みの席次表を作成していきましょう。

パソコンでパンフレットタイプを簡単に手作りする方法

ここまでがテンプレートを利用した簡単な席次表の作り方です。ここからは、もっとこだわりたい花嫁さん向けにパンフレットタイプの席次表の作り方を解説します。

パンフレットタイプの席次表を作成する場合、フォーマットがないと素人が一からデザインするのはなかなか難しいです。

そういった場合、パワーポイントに入っている無料テンプレートを使用してレイアウトを決める方法があります。パワーポイントには、ビジネス向けのテンプレートだけなく、画像や文書を組みわせた様々なテンプレートが用意されています。

例えば、おすすめは旅のしおりのテンプレートです。席次表のテンプレートではないので不要な部分の削除や書き換えは必要ですが、レイアウトが決まっているので写真と文章を記入するだけで冊子を作ることができます。

テンプレートを開くと文字や写真の入れ方など詳しく説明したスライドが用意されています。以下は、実際のスライドです。写真の挿入方法やトリミングの方法まで丁寧な解説がついています。

このように、パワーポイントのテンプレートを利用してレイアウトを決め、中央の見開きページに席次表のテンプレートを挿入すればパンフレットタイプの席次表を作ることができます。

以下は、席次表ではないですが、実際に旅のしおりのテンプレートを使って作成した冊子です。

このように写真と文章を挿入すると、レイアウトやデザインに悩むことなく内容を編集していくことができます。「女子旅」「powerpoint」で検索すると出てくるので、オリジナルの席次表を作成してみたい人はチャレンジしてみてください。

席次表が完成したら、印刷する前に必ずコピーをPDFで保存しましょう。パワーポイントのままで印刷すると、レイアウトが崩れてしまうことがあるので印刷会社に依頼する場合はもちろん、自宅で印刷する場合もPDF化したものを使って印刷しましょう。

用紙の紙質、厚さ、サイズの選び方

席次表の内容が完成したら、最後は印刷です。どのような紙質、厚さを選ぶかによって、出来上がりの高級感が異なるので、紙選びは重要です。

基本的には、少し厚めの紙に印刷すると安っぽくなりません。例えば、100均で用紙を探す場合は、ケント紙がおすすめです。光沢はありませんが、程よい厚みがあります。

文具店で購入する場合、おしゃれで高級感が出せると人気の紙がミ・タント紙です。少しざらっとした質感で色の種類も豊富です。以下は、近所の文房具店10枚入り550円で購入したミ・タント紙です。近くに文具店がない場合、楽天などのネット通販で購入することもできます。

ミ・タント紙は文章の印刷には適していますが、画像をきれいに印刷したい場合は半光沢紙などインクジェットプリンター対応のものがおすすめです。

カジュアルにヴィンテージ風の席次表にしたい場合は、クラフト紙が人気です。クラフト紙は100均のセリアでも購入することができます。くるくると巻いてリボンで留めたり、三つ折りにしたりする場合に使いやすいです。

席次表の紙のサイズは、80名以下ならA4で問題ありません。全員の肩書きや名前がしっかり収まるサイズです。80名以下でパンフレットタイプにする場合、A4より一回り小さめのB5を選ぶと、手に取りやすい大きさになります。

80名以上の場合は、A4だと少し文字が窮屈になり読みにくくなります。B4~A3の紙に印刷するのがおすすめです。ただし、家庭用プリンターは用紙サイズがA4サイズまでがほとんどです。大きなサイズを印刷したい場合は印刷会社に依頼しましょう。

席次表の印刷はどこで?印刷会社に依頼する方法

席次表の印刷は、ラクスルなどのネットプリントでデータを送付するか、最寄りの印刷会社にデータを持ち込むことで印刷できます。

印刷会社に依頼する場合、紙の種類が上質紙、マット紙、光沢紙(コート紙)など豊富にあって迷うかもしれません。例えば、以下はラクスルの実際の注文画面です。用紙の種類や厚さを選ぶ欄があります。

マット紙と光沢紙の違いは、簡単に言うと表面のツヤの違いです。表面がつるっとしていて光沢があるのが光沢紙です。一方、マット紙はその光沢が抑えてあります。そのため、マット紙は光が反射した時に文字が読みやすくなります。

上質紙は、ノートや手帳に使われていて、文字を書き込みやすいという特徴があります。しかし、インクが滲みやすいので写真をきれいに印刷したい場合は向いていません。

おすすめは、文字が読みやすく写真もきれいに印刷できるマット紙です。さらさらとした質感で落ち着いた印象に仕上がります。

厚さは110~130kgがおすすめです。通常のチラシやチケットの厚みが90kgで、ポスターやパンフレットに使われる一般的な厚みが110kgです。心配な場合はサンプルを取り寄せたり、印刷会社に相談に行ったりしましょう。実際の紙を触って確かめたり、印刷方法について相談に乗ってもらったりすることも可能です。

まとめ

席次表を手作りすると、式場に依頼するよりもかなり安く作ることができます。自分の好きなデザインにできる、スケジュールの調整がきくこともメリットです。

作成には無料テンプレートを使えば、誰でも簡単に作ることができます。テンプレートは、好きなフォントや画像でオリジナリティを出したり、印刷物にリボンやタグで装飾を加えたりすることでおしゃれに仕上げることができます。席次表の配置ができたら名前や肩書、配置に問題がないか、家族、プランナーさんと一緒によく確認しましょう。

確認ができたら、レイアウトが崩れないようにデータをPDFで保存してから印刷します。印刷には、110~130kgの少し厚めの紙が適しています。業者で印刷する場合、用紙の種類は文字が読みやすく写真もきれいに印刷できるマット紙がおすすめです。

席次表は意外と簡単に作ることができます。作る過程も楽しみながら、こだわりの席次表作りにチャレンジしてみてください。