結婚式のご祝儀袋を包む布を袱紗(ふくさ)と言います。20代の若い人や男性の場合、スーツの胸ポケットからご祝儀袋をそのまま出す人も見かけますが袱紗は必要なのでしょうか?

最近はご祝儀を袱紗に包まない人も多いですが、大人の女性の礼儀として袱紗はひとつ持っておきたいものです。ご祝儀袋をそのままバックの中に入れていると汚れたり、折れ曲がったりすることもあります。袱紗には、大事なご祝儀を包むことで汚れから守ってくれる役割があるのです。

そんな袱紗にも様々な色や値段があります。特に色選びと包み方を間違うと恥をかくこともあるので注意が必要です。結婚式にはどのような袱紗がふさわしいのか、どこで売っているのかなど袱紗に関するルールについて詳しく解説していきます。

結婚式の袱紗(ふくさ)は必要?ご祝儀をそのまま渡すのはNG?

結婚式でご祝儀を包む袱紗ですが、近年では持参しない人も増えています。しかし、袱紗にはご祝儀袋が汚れたり、折れたりしてしまうのを防いだりする大切な役割があります。

特に女性の場合は袱紗に入れてご祝儀を持ち歩いた方が品は良く、親族や会社関係者が多い場でも恥をかきません。袱紗は長く使えるものなので、お気に入りのおしゃれな袱紗をひとつ持っておくと便利です。袱紗の正しい使い方を覚えておきましょう。

袱紗はどこで買える?100均やコンビニでも買える?

とにかく安い袱紗を探しているならダイソー、セリアなどの100均でも袱紗を取り扱っているところもあります。しかし、コンビニで購入することは難しいです。コンビニでご祝儀袋は売られていますが袱紗を販売しているコンビニはほとんどありません。

少し価格は上がりますが、しっかりとした袱紗を購入したい人はロフトや文房具店、大型スーパー、百貨店などで購入できます。

以下はロフトで実際に販売されている袱紗です。ピンクの袱紗は2000円、紫の袱紗は1600円で販売されていました。場所はご祝儀袋の近くにあります。

もっと手軽に購入したい人は、楽天などのインターネット通販でも購入することができます。通販サイトではデザインの種類も豊富にあり、ディズニーや人気ファッションブランドの袱紗も売られています。袱紗の相場は500~2000円くらいなので、大人のマナーとしてひとつ持っておくと役立ちます。

袱紗の種類と色

ここで袱紗の選び方に注意点があります。袱紗は色によって用途が異なってきます。緑や紺、グレーなどの寒色系の袱紗は葬儀、告別式などの弔事の際に使います。反対に赤、ピンク、オレンジなどの明るい暖色の袱紗は、結婚式やお祝い事などに使用します。

以下は袱紗の色の例です。一番左側は弔事用、中央と右側はおめでたいときに使用する慶事用になります。

明るい水色や緑色、白に近いグレーなどは判断に迷う色ですが華やかなもの、レースがついたものなどであれば慶事用として使用できます。判断に迷ったら、結婚式では無難な暖色を選ぶとよいでしょう。

袱紗を選ぶ際のおすすめの色は紫です。紫は慶事にも弔事にもどちらでも使える色なので重宝します。また、最近ではリバーシブルタイプで兼用できる袱紗も販売されているので用途によって使い分けができて便利です。

袱紗には、色以外にも種類があります。大きく分けて、ご祝儀袋を簡単に挟むだけの金封タイプと風呂敷のような正方形の布タイプの2種類です。

金封タイプはバックの中でも型崩れせず、さっとご祝儀を入れたり出したりできます。以下は楽天で販売されている金封ふくさです。このように袱紗がポケットタイプになっているのでご祝儀袋を包む手間がかかりません。

本体のサイズは約12×20cmが一般的です。 もし大きいご祝儀袋を使う予定であれば入らない場合もあるので、金封ふくさのサイズに注意しましょう。

一方、風呂敷タイプの袱紗は正式な包み方です。そのため、3万円以上の高額を包む場合は風呂敷タイプを使用しましょう。また、使い終わったあとはコンパクトに畳める点もメリットです。

慶事用の袱紗のデザインの中には菊の模様が入ったものもあります。結婚式で使用しても問題ありませんが、菊の花はお葬式のイメージが強いのでよく思われない方もいます。そのため菊が入った袱紗は避けた方が無難です。

ハンカチでも代用できる?袱紗がないときの対処法

大人のマナーとして事前に用意しておきたい袱紗ですが、当日忘れてしまうこともあるかもしれません。そんなとき、袱紗の代わりとして使えるのがハンカチです。ハンカチであればもし持っていなくてもコンビニで購入することができます。以下は、実際にハンカチを使ってご祝儀袋を包んだ様子です。

このように市販のハンカチやスカーフを使って代用することも可能です。また、自宅に小さめの風呂敷包みがあればそういったものを使っても問題ありません。このときハンカチはポップなものでなければ柄があっても問題ありません。

袱紗の包み方・入れ方

それでは、実際に袱紗でご祝儀を包む方法を解説していきます。まず、広げた袱紗の中央より少し左側にご祝儀袋を置きます。次に左端を中央に向かって折ります。以下は袱紗の左端を折ったあとの様子です。

次に上の端を下に向かっており、そのあとに下の端を上へ向かって折ります。以下は上下の端を折ったあとの様子です。

最後に右の端を中央に向けて折ったら、巻いて包みます。以下は完成した袱紗の様子です。

この包み方は結婚式などの慶事用の包み方なので、上下や左右の折り方を間違えないようにしましょう。ポケットタイプの金封ふくさに入れる場合も、右開きにご祝儀袋を入れます。ご祝儀袋を入れる前に向きを確認しておきましょう。

袱紗の渡し方とマナー

最後に完成したご祝儀袋と袱紗の渡し方とマナーを解説します。結婚式のパーティーバックは小さいバックが多いです。もし、袱紗がパーティーバックに入らない場合は、サブバックに入れて会場まで持っていきます。

到着したらクロークにコートなどと一緒にサブバックも預けます。この際、袱紗を取り出し、受付に渡すまで手で持っておきます。袱紗自体がご祝儀袋から汚れを守るものなので、バックのような役割をしています。バックに入りきらない場合は受付に渡すまで手で持っていてもマナー違反ではありません。

以下は結婚式の実際の受付の様子です。このように新郎側と新婦側のゲストで受付が分けれている場合もあるのでどちらの列か確認してから並びましょう。

受付で渡す際は、袱紗をお盆のようにご祝儀袋の下に敷き、相手から熨斗(のし)が読めるようにして「本日はおめでとうございます」と言って両手で渡します。

ご祝儀袋を渡したあとは、風呂敷包みの袱紗なら小さくたたんでバックにしまいます。バックに入りきらない金封ふくさの場合は、着席後に引き出物の袋に入れておけば大丈夫です。

まとめ

結婚式の袱紗はロフトや百貨店などで購入することができます。袱紗は色によって意味合いが異なります。結婚式で使用する袱紗は暖色、白色で華やかなものを選びましょう。紫色は慶弔どちらでも使用できます。

万が一袱紗を忘れた場合は、ハンカチやスカーフでも代用できます。袱紗がバックに入らない場合は会場までサブバックに入れて持ち歩き、クロークに荷物を預けた後は受付で渡すまで、そのまま手で袱紗を持ちましょう。大切なご祝儀を袱紗で包むことで、スマートに品よく受付をすませましょう。